ぼったくりにご用心を!
〇商工会の研修会
先日、上海日本商工クラブの研修会に参加してきました。ちなみに、上海日本商工クラブは約2,400の会員を擁する世界最大規模の在外日本商工会組織なんですよ~!今回の研修会のテーマは、「まさかのトラブルに遭わないために上海における日本人トラブル事例と対策」というもので、内容を一言でまとめると、「ぼったくりにご用心を!」というものでした。
この方が講師を務められた在上海日本国総領事館・邦人援護班の青田さん。お世話になることがないよう気をつけたいものです涙。
〇2017年の被害者は799名
こちらは↓研修会で配布された資料ですが、それによると2017年の在留邦人数は56,690人。それに対して邦人保護件数が799人とのことなので、上海に住んでいる日本人のうち70人に1人が何らかの被害に遭って、領事館のお世話になったということになります。個人的にはなかなか衝撃的な数字です。
〇ぼったくり被害
そして日本人が遭う被害のうち最も多いのがぼったくり被害なのだそうです涙。2017年は約120件、2018年は約70件の相談が寄せられたとのこと。ぼったくりって具体的にどんな手口なの?って思いますよね。いくつかご紹介します。
①マッサージ名目のぼったくり
・安いマッサージ(100~300元、約1,600~4,800円)名目の声かけ
・被害額:約1~3万元(約16万~48万円)(クレジットカード支払い)
・警察への被害届出を阻止
例)旅券や運転免許証などの個人情報を撮影
性的マッサージの強要・録画など
・タクシー移動により被害場所を特定させにくくする
②レストランでのぼったくり
・女性が「自分も観光客だ。食事に行こう」などと声掛け
・被害額:約2、3千元~9千元(約3万2,000~14万3,000円)
・一見普通のレストラン・カフェを装っているがワイン・日本酒などが高額設定されている(メニュー有り)
・女性らが高額な酒を大量に注文し、会計を押しつけられる
例)「中国では男がおごるのが普通」、「次は私が出すから」
〇声を掛けられやすい場所
歩行者天国で、いつも人でごったがえしている南京東路
僕がかつて被害に遭いそうになった豫園。詳細は後述します。
〇ぼったくり事例
その1
宿泊ホテル前で「200元(約3,200円)のマッサージがある。見るだけでも良い」と勧誘され、タクシーで移動。雑居ビルの個室に通され、缶ビール1本と女性が入室してマッサージを受ける。15分後、中年女性と男性が入室、高額な金銭を支払わないと出られないと脅迫。クレジットカードで約3万元弱(約47万円)を決済させられた。
その2
南京東路で250元(約4,000円)の性的マッサージの勧誘を受け、タクシーで雑居ビルに移動。性的サービス後、中国人3人が入室し、3万元(約47万円)の支払いを強要された。交渉で減額するもカードが使用できず、ホテルに戻り友人のクレジットカードを借り19,000元(約30万円)を決済させられた。
〇外国人を狙う寸借詐欺
古北、南京東路などで、英語や簡単な中国語で話しかけ、お金を騙し取る寸借詐欺が発生しているとのこと。会社員風の人物が名刺を差し出しつつ、「財布をなくしてしまい、家に帰れない。お金を貸してほしい」などと話、現金数百元を詐取。(※名刺の内容は虚偽、翌日には音信不通に…涙)
〇買春行為による拘留等
買春(性的マッサージ含む)をした場合、10日以上15日以下の拘留及び5,000元(約8万円)以下の罰金を併科(ただし、重大な違反でない場合、より軽い処罰)
取締りを受けた場合、公安により外部との連絡を禁止されるため、1~2日の間、行方不明状態となる可能性あり
地域により処罰の程度は異なる。罰金・短期の拘束で済むケースもあれば、ビザ取り消しになるケースも。
〇Yoo!の体験談を話すヨー
とまぁ、ちょっと重い内容になってしまいましたが、最後に僕が実際に体験したエピソードをお伝えしますね。
あれは2018年の1月頃、豫園でのことです。仕事の関係で夜18時頃に豫園を歩いていたら、2人組の若い女の子に「写真撮ってくれませんかぁ?」と話しかけられたんですね。
快諾して撮ってあげたところ、「このあと一緒に小龍包(ショーロンポー)食べに行きませんか?」と誘われたんです。僕はここで「怪しいな」と勘付きました。なぜなら事前にそういう手口の詐欺があると知っていていたからです。ここでまんまと着いて行ったら、上述したような形でぼったくられていた可能性大です。
でもそういう手口があるということを知らなかったら、若い可愛らしい女性のお誘いを断る男性はそこまで多くないと思います。男の心理を突いた怖い手口です。実は僕はその後、女性たちと別れてから10分後くらいにまた同じ場所に行って確認してみたんです。そしたら案の定、さっきと同じ場所にいて相変わらず獲物を物色していましたw。確信犯です。
〇結論
ずばり一言、「知らない人にはついていかない」でください!そうすればぼったくりの99%は回避できるのではないかと思います。旅行や出張でせっかく中国に来たのに、散々な思いをして中国を嫌いになってしまうということがないように、くれぐれもご用心ください!